浮きの考え方

 

浮きの考え方には、人様々あると思いますが高速で飛行するその実態は

想像の世界が殆どで、試し試し思考を加えるのが現状です。

私もHPを公開する以前より浮きについては繰り返し繰り返しテストを続けていて、未だたどり着くであろう場所へは来ていません。

 私にとって浮きは、簡単に作り出せる物ではありますが、その理想とする飛行は未だ神秘の中です。

HPにて公開中の「未知なるポイントを狙うスペシャリスト」の中には「遠投浮き」の記述が書かれていますが

この内容は
7年前に書き出されたもので、現在とでは疑問を持つ文章もあるようです。

これも想像の世界と現実にテストを繰り返し少しずつ「理想」へ近づいているからでしょう。

浮きについて現在までに私なり理解できた部分を改めて文章へ残したいと思います。

 

 

1、浮きの行動「飛ぶ浮きを探す?」

 

比べる物にもよりますが浮きは軽く、強い動力を与えても100Mなど飛べる重さを持っていません。

浮きにいて考え始めた当初から「浮きは道糸の抵抗で引っ張られている」と仮定してきました。

この考えは現在も変わっていませんし、これを覆す新たな事実も見つかりません。

浮きは道糸の抵抗で引かれているのであれば

軽くて道糸になるべく添うように長さ的にも中心でバランスの取れた物が良いと仮定したのです。

現時点では釣り人にもよりますが、浮きの軽さが優先されバランスは羽側が多少重くてもよい事が分かってきました。

これは、軽さと比例するように浮きが道糸から受ける抵抗が増えるように感じていて、これには条件があるようにも感じています。

それは浮きの後ろに発生する気圧を踏まえた釣り人が投げる仕掛けの早さです。

「浮きには、人によって合う浮きかある。」とよく耳にしますが

釣り人が投げる仕掛けの早さ、即ち作成された浮きの重量、形状、バランスに対する道糸の抵抗が

釣り人により多少異なるからだと思います。

 

ある浮きは、釣り人が投げてから45度の角度で上昇し、頂点に達してから降下を始めるとカゴとの距離が変わる場合があります。

浮きがカゴに近づいてカゴにぶつかる浮きと、カゴから離れてしまう浮きの二通りがよく見受けられます。

 

一人の釣り人が、浮きの先端が球状に近い形状の浮きを投げた条件で上記の二通りの浮きがあった場合

カゴに近づき最後はカゴとぶつる浮きは重い浮きです。

釣り人が投げてサミングにより道糸は強く張られ浮きは最大の抵抗を受け飛行を開始し

自らが持つ重量への加速も手助けしてわりとカゴに近づいて飛行します。

頂点を過ぎて降下を始めると釣り人はサミングを緩め浮きが道糸から受ける抵抗が減少すると浮きは

自身の重量で地球の重力に引かれ加速しカゴへぶつかってしまいます。

軽い浮きの場合、もしくは軽く作成する為に羽側が重いバランスの場合は

頂点を過ぎて道糸の抵抗が少なくなると浮きは重力よりもの空気抵抗を受けたり姿勢が保てず羽に抵抗を受けてカゴから離れてしまうのです。

 

このように浮きは、釣り人が作り出す道糸の抵抗(竿のバネの強さや使用するカゴの重さを踏まえた)と

浮きの重量と形状のバランが複雑に絡み合っています。

また、浮きの後ろに起きる気圧で羽側を持ち上げる現象が起き

3枚の羽は4枚羽よりも気圧を上手く利用出来ずに回転運動を起こすのかも知れません。

地球上の重力と摩擦は万人に平等に起きますが、浮きは他の方の飛ぶ物が自分にも良い物とは言えないようです。

浮きはカゴの飛ぶ速さとサミングの強弱で浮きの飛行は変化し

自分に合う浮きは、機械的は運動から作り出される毎回同じ速さの投げの中から見つけられると思います。

 

 

2、理想的な浮きの飛行と作成

 

浮きは、カゴとの距離を約2Mから4Mほど離れて着水するのを理想としています。

カゴとの距離は離れすぎるとカゴが到達した飛距離と浮きまでの距離が無駄になり

カゴに接近し過ぎるとハリスを浮きの羽で拾い絡む危険が増えます。

二つ折になったハリスの長さよりわずかに離れて着水する浮きが理想な浮きとしています。

 

私が現在の軟質ウレタン素材の浮きを作り始めた当初は

思考錯誤し浮きの先端は尖った物より丸い方がカゴから離れて飛行すると考えていました。

当時の浮きは0.3mmの羽の厚みでウェイトは0.8号が付いていました。

今よりも仕掛けは軽くカゴは12号で「浮きは道糸の抵抗でカゴに着いて行く」

とは考えていたものの竿も柔らかく当時としての飛距離も
100mそこそこで

浮きの全長に対するバランスに気を取られていたのです。

 

バネの強い竿の出現で0.3mmの羽はスタート時及び飛行中に震え破損が相次ぎ、これまでの浮きは使えなくなり

羽を
0.5mmへ変更し破損へ対抗し、より飛距離を求めてボディーを滑らかに塗装したりしましたが

0.5mmの羽や塗装したボディーでバランスを取った浮きは重く100m超えの遠投には向きませんでした。

 

バランス用の錘を糸錘に変え(2004頃から)心棒に巻き付ける事によりウェイト調整を可能にして

浮き夫々に形状とウェイトバランスをテストしました。

結果、軽く作られた先の尖った浮きはウェイトを少なくする事でカゴから離れて飛ぶ事が分かり(2005年頃から)

浮き全長に対するバランスよりも道糸の抵抗に対する浮きの重量と、空気抵抗の考慮が理想の飛びを作り出せると考えたのです。

 

全長に対するバランスのジレンマから開放され、ウェイト錘を無しとし(2007年頃から)

その重量を空気抵抗を軽減させる為にボディーの塗装へ回しボディーも中空化(2008年頃から)

軽さと空気抵抗に対応してみました。

 (左右の黒い部分の間の光が透ける部分が中空です。)

気泡が多い軟質ウレタン素材ではボディーを滑らかに塗装する事は

塗装が厚くなり結果重量も増えます。これを薄く塗装することは困難で例え薄く塗装が出来ても柔軟性の素材の為に

水圧によるシボミや車中などの熱による膨張によるひび割れが起きてしまいます。

ボディーの塗装には素材に染込み硬くなるように下塗りを重ね

重量を考慮しながらトップにエポキシで仕上げ、今は羽に
12mmから18mmの穴を空け軽量化を進めています。

 

 

まとめ

 

軽さと形状だけであれば、塗装をせず素材そのものを使用した方が手早く作成が可能です。

素材そのままを使用した浮きは、道糸の抵抗が無くなる頂点を過ぎると羽側が重く浮きの姿勢が保てず

カゴから離れるのでウェイトの錘が必要になり、空気抵抗を考えた場合どちらが飛距離を出せるか?が継続中の課題です。

 

道糸の作り出す浮きへの抵抗も、釣り人の体力、使う竿、カゴの重さ、リールの締め具合で変わります。

同じ飛距離の方同士だと同じ浮きで同じくらいの飛距離が出せる場合がありますが

物理上、リールの糸巻き量、投げる力よる仕掛けへの加速、サミングの調整がほぼ同じだから飛距離が同じになり

これれに一定の条件の浮きを着けても同じ結果が得られる事になり

どちらかがカゴの口径を変えると浮きは、カゴに対する空気抵抗の変化による道糸の「張り」が変化するので

飛び方が変わってしまいます。



道糸が浮きに与える抵抗は、カゴが飛行する放物線上に引かれる道糸の張りになりますが

この「張り」はスタート、初速時のサミング、飛行中のサミング、カゴが降下を始めて加速し糸を引っ張る力で変化し

リールのスプール調整やカゴの重さで夫々が変動します。

(個人の投げる力により仕掛けの飛べる飛距離は決まりますが、道糸の巻き量によってはサミングの強弱が異なります。)

同じ竿、同じ飛距離の釣り人が居ても使うカゴの重さやリールの調整しだいでは

微妙ではありますが同じ浮きが合うとは限らないようです。


飛距離を出せる人は浮きへ与える道糸の抵抗が強いと言え

着水条件に拘らなければ浮きの形状や重量にあまり関係なく遠投が可能だと思われ

この事が、遠投を求める釣り人の浮き選びに迷いを与えているように思います。

 

 

だから、こうしたからといって飛距離が飛躍的に伸びる訳ではありませんが

仕掛けの絡みを無くし、未知なるポイントを狙う為に
遊びである釣の中でゆっくり進めて行きたいと思います。

 

皆さんも、形やウェイトを変えたりして自分に合った浮きを探して見ては如何ですか?

 

 

2008.11

遠投師

 

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