「遠投師の入り口」・「未知なるポイントを狙うスペシャリスト」や「遠投師バージョンアップ編」をお読みなって、練習をしても上手く行かない!

とか釣り場で、上手く遠投をなさる釣師さんから教わっても上手く投げられない!なんて感じておられる方も多いかと思います。

沢山の人から教えて頂くと迷いますね!これは、教える方が悪いのではなく、釣りの投げ方自体が瞬間の出来事ですから、

感覚でしか伝えられないからです。人によっては同じ動作が言葉では違ったりします。

 現在、私と接点のない方で上手く投げておられる方は沢山おられて、全て私と同じとは言えません。その方なりの投げ方が有ります。

 私がHPにて公開している文章は、ある定義みたいなものが有り私と接点のない方で

上手く投げておられる方もこの定義にあてはまると私は考えています。

その定義とは、改めて良く考えると皆さんのもご理解頂ける物です。

 では、その「定義」をお教えします。

定義1(リール)

 リールは機械ですから、力に変化が有れば回転も変化し、力が一定で有れば回転も一定になる。


 両軸遠投を初められる方は、普通はスピニングからのリールの変更だと思いますので

はじめからこの「定義」から投げ方を想像し理解する事は難しいと思います。


スピニングで投げた場合、ある程度投げ損なっても飛距離が出ないだけですみますが

微妙な強弱の有る投げ方は竿の撓り方に変化を与えてしまい、仕掛けへの動力の付き方も変わり

両軸リールでは「予期せぬ出来事」となりパーマしてしまいます。

投げ損なうとか体がふらつくとかはスピニングではあまり気にしなかった事ですが、両軸リールによる遠投ではパーマに繋がります。

では、何故?リールに対する力が一定でないといけないか?

 これは道糸の膨らみを予知して上手くサミングを行う為です。

パーマを防ぐには道糸の膨らみを瞬間的に予知することが必要です。

竿、リール、仕掛けが同じで、投げる力が同じであれば、リールは同じ回転を繰り返します。

投げた瞬間の道糸の膨らみ方も同じタイミングで発生し強さも同じになります。

リールのスプール調整だけでもパーマしないように調整出来ますし(この状態では仕掛けが引きずられてあまり飛距離が出ない)

また、調整をそれより少しゆるくして、はじめの道糸の膨らみをサミングで仕掛けの飛ぶ速度に調整すれば同じ力でも

もっと飛距離を伸ばす事ができます。
(基本的には仕掛けの動力の妨げにならないように仕掛けの飛ぶ早さで道糸を出すこと、仕掛け自体の空気抵抗の良いか悪いかで同じ力でも飛距離は変わり、空気抵抗の無い物はサミングも楽になる)

 よくご質問がある「スプールの調整」は、スプールの回転を調整しパーマを防ぐ役割をもっていますが

この調整ネジも固定して使う物ですからリールが同じ回転で投げる事が前提となり

仕掛けへの空気抵抗や投げる力の強さで調整も釣り人それぞれに変化し、リールの一定の回転が前提で予知が可能ととなり調整し固定できます。



定義2(竿)

 竿は元までバネである。竿のバネを最大限引き出すには元を動かさず曲げれば(もしくは引きつける)仕掛けへ最大限の動力が発生し伝わる。

定義3(仕掛けを投げる角度)

 自ら動力を持たない物体を、地球上の重力の中で投げてより遠くへ飛ばせる角度は45度である。

 古くから磯竿はスピニングが主流で、竿の設計もスピニング用になっていました。

利腕でリールを持ち反対の手で元を持って、リールを持つ手を力いっぱい振って、元の手は引き付ける様に振る設計です。

両軸の場合、手が逆になった感じがしてしまい途惑う方もおられますが基本的には同じなのです。

また、仕掛けを投げる角度もスピニングでは、あいまいな部分が多く、竿の角度は釣り人よって様々で

竿の角度は関係なく竿を振り切って掛けが高く上がるタイミングでスタートさせている方もいます。(キスの回転投げや、競技ではきちんと竿先が同じ角度になる)

 「未知なるポイントを狙うスペシャリスト」は上記の「定義」みたいなものから考え出されたもので

得とく出来れば足場の悪い場所でもトラブルが起こりにくく、楽しく釣りが出来ます。

「バージョンアップ編」は「未知なるポイントを狙うスペシャリスト」の投げ方を得とくし

足を前後に開き、リールを前に出し、竿を押す事と同時に体の軸がリールに近づく事により竿のバネをより引き出す投げ方となっています。
(見た目はスピニング投げに見えますが基本が違います。)

 私が考える両軸による遠投は、まず機械であるリールや竿に一定の回転・力を与える事。

つまり釣り人が機械的に竿を振ることになり、尚且つ仕掛けが45度の高さに飛ばせる時にスタートのタイミングが取れる投げ方です。

 「スタンス」はリールに一定の回転を与える形の始まりで、「ホーム」は仕掛けが45度の高さに飛ばせる形です。

この投げ方でより遠くへ飛ばす方法は、「ホーム」のふり幅90度の中でどれだけ竿を押して仕掛けに動力を与えるかが鍵になります。
(重い仕掛けは与えられた動力が持続し飛距離を伸ばせます。この重い仕掛けを投げるにはバネの強い竿が必要となり、この竿を撓らせる体力も必要です。)

 2008.11月追加
 例えば、コントローラー(回転調整機能)付きの電気で回転するモーター有るとします。モーターは機械ですから電気を流すと流した電気のボルトとワットの値で回転数とトルク(軸を回す力)で回転します。

ボルトとワットは通常コンセントから一定に流れていますのでモーターも一定の回転とトルクを発生させます。

私達は、この一定の回転とトルクを基準に自分の使う用途に応じてコントローラーで回転の速さを調整して使います。

両軸遠投では、釣り人がボルトとワットの役割でモーターがリールです。そして使う用途は仕掛けを投げる事になります。

釣り人の役割のボルトとワットは、釣り人のパワーと竿の持つバネの力で変化し、これを一定のリズムで繰り返し行わないと使う用途のコントロールは出来ないのです。
また、強いパワーで一定の回転を発生させても仕掛けが強い空気抵抗受けていては、リールから押し出される道糸の速度と合わずクラッシュします。

ここで一定の回転に対するメカニカルブレーキで調整する意味が生まれ、仕掛けの問題でクラッシュに繋がるのだと判断できます。(仕掛けを空気抵抗の少ない錘だけで投げるとスムーズに飛ばせるはずです。)

よく「メカニカルブレーキは、数字のいくつ?に合わせるのですか??」と質問が来ますが、それは釣り人個々に作り出す一定のリールの回転が基準となり、使用する仕掛けの受ける空気抵抗の強さで調整も変化するのです。

メカニカルブレーキは、通常仕掛けの飛べる速度に合わせます。


クラッシュに繋がる答えを導き出すには、一定の回転を作り出す事が大切で、これにはパワー的に個人差もあり見た目では難しく写るようです。

望む飛距離の為には、空気抵抗を最小限に押さえられた仕掛けも必要です。

 現在の市販の竿や仕掛けでは、おそらく私が考える投げ方に合った竿は数本しか有りません。今後の各メーカさんの開発に期待しています。

 遠投師
 

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